2011年12月11日日曜日

Open Class In Benighat④ 二日目


ナマステ ウッジョールです。

1時間目 1年生 算数 10までの数
若い先生であるが、教師としての素質十分である。
なぜなら、子どもが好きである。
朝、授業が始まるまでの時間、子どもとよく遊んでいる。
子どもへの聞かせ方や注目のさせ方がうまい。
穏やかで、話し方がソフト、なおかつ時々、ジョークも言う。
子ども達に好かれて当然である。
さらに、頭が柔らかく、いいと思ったことはすぐに授業に取り入れ
吸収することができる。
しかし、残念ながらネパールでこういう先生は珍しい。
上から目線で声がやたら大きく、叩く怒鳴るは日常茶飯事。
私がアドバイスしても、「それはいいね」と言うだけで、何も変えない。
ベテラン男性教師は最も頭が固く、私の意見には耳も貸さず、
反論し、自分のやり方が一番だと思っている。
一番たちが悪いタイプ。
話が反れたが、もともと素質のあったこの先生は、日に日に成長を遂げ
いろいろなことをあっという間に吸収してしまったのである。
私の作った教材で自分のアイデアをどんどん出し、
子ども達に楽しく、教えていく。
だから、1年生の子ども達も、先生同様、急成長である。
はじめ、数字を読めない子、数字と半具体物の数を合わせられない子、
とにかく、何でも1から数えないと答えの出せない子。
それが今では、数字はもちろん、数を「5と1で6」というように
まとまりで捉えることができるようになっている。
だから、ほとんどの子がテンフレームの6や7、8,9を
見せてもはじめから数える子はおらず、
「5と1で6」「5と2で7」・・・というように捉え、すぐに「6!」「7!」と
答えることができる。すごい!!
日本ではこんなのできて当たり前なのであるが、
ネパールの1年生が、それもごく一般的な村の1年生の子ども達が、
これをできるのはすごいことなのである。
ネパールでは、数字と数字の読み方をメインに教えるので
数字がただの記号でしか捉えることができにくい。
3=○○○とイメージしにくい。
一番、力を入れて教えて欲しい基礎の基礎である「数の概念」を
疎かにしているので、いつまでたっても算数が苦手なのである。
学校で学んでいない両親が多いネパールで
日本のように家庭教育はまだまだ期待できない。
だからこそ、学校で数の概念をしっかり教えて欲しいのだ。
この先生は、その重要性をよく理解してくれ、
「ミスの言うように足し算、引き算より
まず数をしっかり捉えられるように教えないといけないですね。」と言って
1ヶ月、いろいろな教材を駆使して遊びながら楽しみながら
でも、要点はきちんとおさえながら、教えてくれたので
公開授業は参観者に強烈パンチを喰らわしたと思われる。
「23歳の若造にやられたー!」といった感じではなかろうか。
だから余計に、「私にもできる!」と思い、奮起してくれたに違いない。
その証拠に、多くの先生方が熱心に教材作りのトレーニングを受けてくれた。

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